大判例

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東京地方裁判所 昭和38年(ワ)5247号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決要旨〕右約定は債権者平等の原則を確認したにすぎず、かかる約定の存在は手形金請求権消滅事由ともならないし、手形支払いの猶予ともならない、と解すべきである。

〔事実と争点〕原告は被告東京飼糧会社振出被告山崎保証の約束手形の所持人として満期に呈示したが支払われなかつたので、本訴に及んだところ、被告らは、被告会社は昭和三八年六月ごろ三億を超える債務のため支払を停止し事実上の整理に入り、同月及び同年七月二回に亘り債権者集会が開かれ、原告はその代理人を出席させ、被告会社に対し他の債権者とともに、抜けがけの弁済受領行為をしない旨の確約をしている。従つて原告は他の債権者と平等に事実上の配当が実施される時期に始めて本件手形金の請求をなし得るに過ぎないのに、その時期を待たずしてなした本訴請求は失当である、と述べた。

判決は被告主張の確約の趣旨は債権者平等の原則を確認したに過ぎないとして、被告の抗弁をそれ自体理由がないとして排斥したがつぎのとおり述べている。

〔判決理由〕原告が被告会社に対し抜けがけの弁済受領行為をしない旨確約したとの被告らの主張は、原告が被告らに対し本件各手形金の支払いを猶予したものであるとの主張であると解釈するわけにはいかない。抜けがけの弁済受領行為をしないとの約定は、各債権者が平等に各債権額に応じて弁済を受けるといういわゆる債権者平等の原則を確認したということにすぎないというべきものであり、本件各手形金請求は、被告会社の整理が未だ配当(弁済)の段階に至つていないとしても、右債権者平等の原則に何ら反するものではない。被告らが主張する原告の右確約の存在は、本件手形金請求の消滅事由とはならないし、また手形金支払いの猶予ともならない。従つて被告らの右抗弁も主張自体失当であつて採用のかぎりでない。(逢坂修造)

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